2017年7月28日金曜日

豪州・米国・日本の暮らし易さ比較

豪州に7か月、米国に9か月、日本に数十年住んだ実体験から、3か国の暮らし易さを比較してみたいと思います。豪州と米国の在住期間が短いため、偏った見方になるかもしれませんが、アラフォーの豊富な人生経験に基づく直感的な印象として捉えていただければ幸いです。(1)表現・行動の自由度、(2)社会システムの効率性、(3)階級・身分的な同質性、の三点から検討してみます。


豪州・米国・日本の暮らし易さ比較
Source) Ryo
(1)表現・行動の自由度
表現・行動の自由度はダントツで米国が1位でしょう。米国社会では、多種多様な人がそれぞれに好きなことを行なっているという印象が強くあります。僕が住んでいたときは、オバマ元大統領の後任選挙運動がありましたが、同じ町にも、トランプ氏を熱狂的に支持する人もいれば、クリントン氏を熱烈に支持する人もいましたし、サンダース氏を再び担ごうという人さえ少なからずいました。僕の経済学の師匠であるスコットランド出身のビバレッジ先生が、今やパスポートを更新していないという話もまんざら信じられない話ではないのです。税金を払わずに森の中で暮らしている人もいるんではないかなぁと想像します。

日本は3位だと思います。自宅であれ、職場であれ、上下前後左右の人にひどく気を遣いながら生きなければならない空気が重たく存在していると思います。


豪州は米国と日本の中間という印象です。米国ほど野放図な社会ではないし、日本ほど息苦しくもないと思います。


(2)社会システムの効率性

社会システムの効率性はダントツで日本が1位でしょう。田舎でも24時間オープンのコンビニがあるなんて、米国でも豪州でも考えられません。行政を含むサービス業の対応スピードや均質性もずば抜けていると思います。

米国が3位でしょう。行政を含むサービス業の質の低さは呆れるほどです。僕がノースカロライナ州の田舎町に住んでいたせいも多少はあると思いますが、DMV(日本の陸運局)の担当官の対応はディズニー映画"Zootopia"に模写されるくらいです。<https://www.youtube.com/watch?v=x_2E6nlnMPU>


豪州は日本に近いですが、日本ほどは洗練されていない感じがします。また、挨拶や意思決定などの場面で、良い意味での人間臭さが、カフェやレストランのスタッフなどにも残っていると思います。


(3)階級・身分的な同質性

階級・身分的な同質性は豪州が1位ではないかと思います。おや?と思われる方もいるかもしれませんが、豪州社会は米国に劣らず多様な人種から構成されています。そして、その多様性を皆が認め、受け入れている印象が強いです。アクセントの異なる英語を話していても笑ったり咎めたりする人はいません。

米国は最も階級や身分を感じさせる気がします。ノースカロライナでは白人と黒人の生活水準の違いを実感しました。自由ではあるけれども、出発点は白人と黒人で大きく異なると思います。白人が大型車の窓から中指を突き出して大笑いし、黒人が車道沿いで物乞いをしているという状況はステレオタイプではなく現実です。アジア系もアイビーリーグに入学規制されているとの報道があります。人種・性的差別発言を行ったトランプ氏が大統領になる社会なんです。


日本は米国ほど階級や身分を感じさせないように思います。けれども、日本以外の国籍の人にとっては日本は入ってゆきにくい社会だと思います。海外からの旅行者数こそ増えつつあるものの、移民に対しては依然として極めて厳しいですね。特に日本人と日本人以外とのとてつもない処遇の差があるという意味で、豪州より日本に階級や身分というものを僕は感じてしまいます。




総合的には、多くの人にとって、豪州が一番暮らし易いんじゃないだろうかなぁと思っています。米国は効率性や階級・身分という点で、日本 は自由度という点で暮らしにくいと思います。もちろん、上記尺度以外にも暮らし易さを測るものはあると思います。例えば、安全性など。米国では銃社会の怖さを垣間見ました。おわりに、日本を社会システムの効率性の基準で1位としましたが、それが社会全体の観点から本当に良いことなのか、僕には甚だ疑問です。過度の効率性は人間を疲弊させるかもしれないと思い始めています。


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