2016年12月5日月曜日

人生初のメルセデスベンツ

アメリカでは車が必須と多くの方が言います。アメリカ人の友人は、「車を持っていなかったら、何者でもない」とまで言っていました。僕はもともとアメリカに1年程度しか住まない予定だったので、車を持つかどうか決めかねていたのです。結局、オンボロ車を購入したのですが、すぐに寄付することになりました。

オンボロ車はメルセデスベンツで、デューク大大学院を修了予定のブラジル人から、5月23日(月)に2,900米ドルで購入しました。名義の書換えはウェルズ・ファーゴ銀行で行いました。無料です。アメリカの銀行のサービスは非常に良いように思います。保険はGEICOに入り、1月当たり120-130米ドルのコストでした。

ノースカロライナでは国際運転免許証が認められておらず、6月13日(月)にDMVで筆記試験を受けて、仮免許を取得しました。その後、コミカレの夏セメスターが忙しかったこともあり、車のナンバープレートを得たまま車を運転していませんでした(コミカレには自転車通学をしていました)。 夏セメスター終了後、7月29日(金)に実技試験を受けたのですが、なんと不合格でした。助手席に座って指示を出す指導教官の発音が聞き取れなかったのです。

これはいかん!と思い、リスニングの弱点を運転でカバーしようと、運転免許場やコミカレで運転の練習を始めました。すると、ブレーキ系統の警告ランプが点灯するではありませんか!近所の車修理工場に持ち込みましたが、原因不明で、メルセデスに診てもらった方がいいとのこと。既に14万マイル走っているオンボロ車をメルセデスベンツの正規ディーラーまで連れて行くことになりました。

8月3日(水)の約5時間に及ぶ点検の結果、ブレーキとエンジンの一部に老朽化問題があることがわかりました。ブレーキ系統は修理できるけれども、エンジン系統は修理できないとのこと。ブレーキ系統の修理だけで、1,700米ドル超の見積額でした。

車を運転することで、いろんな不安を抱えることになった自分を振り返った結果、車なしの生活を送ることにしました。最大の要因は、万一事故に遭遇したときに、その対応を行うリスクが非常に大きいと感じたことです。言語の問題もありますし、そもそも会社を辞めて貯金を崩しながらの生活だったこともあります。アメリカの自己責任制社会を少し実感し始めていたこともあり、2,900米ドルは勉強代と考えることにしました。同時に、オーストラリアでも車の運転をやめようと決意しました。

人生初のメルセデスベンツは、8月5日(金)に慈善団体のレッカー車に運ばれていきました。後日、「550ドルの寄付になりました。ありがとうございます」という報告を受けました。

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2016年12月4日日曜日

アカデミックライティング (1)

アカデミックライティングについて、日本の英語学校とダラムコミュニティカレッジEFLコースで学んだテクニックを簡単に紹介しておきたいと思います。アカデミックライティングには決まった型があります。今日は文章全体の構成、つまり、イントロ・ボディ・コンクルージョンについて説明したいと思います。

イントロは1段落で構成されることが基本です。最低3文から成立します。読み手を引きつけるフックと呼ばれる1文、シーシスへの繋ぎの1文、そしてシーシスの1文です。

ボディは2-3段落での構成が基本です。段落同士は、リスティング、時系列、比較対照、原因結果、これら4つの意味合いを持つことが基本です。1つの段落は、トピックセンテンス、エビデンス、アナリシス、カウンターアーギュメント、リバトル、コンクルーシブセンテンスから成り立ちます。

コンクルージョンも基本的に1段落で構成します。最低3文から成立します。シーシスのリステイトメント、ビッグアイデアのちょい見せ、次回予告です。

以上が、アメリカのアカデミックエッセイで用いられる必要最小限の構成要素です。エッセイが長くなると、段落数は増えます。イントロが2段落になることもありますし、ボディが5段落以上になることもあります。しかし基本的な考え方は変わりません。次回はボティの構造をより詳しく説明したいと思います。

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ダラムの夏セメスター

シャーロットからダラムに5月14日(土)に戻った私は、16()からダラムテクニカルコミュニティカレッジ(DTCC)の夏セメスターに参加しました。コミカレ入学のためのレベル確認テストで英語のレベルが低いと指摘された僕には、イングリッシュアズフォーリンランゲージ(EFL)のコース以外の選択肢がありませんでした。まだ、アメリカ人とは一緒に勉強できません。幸いにも、3段階あるEFLコースの中では一番高いレベルから始めることができました。英語のリーディングとライティングの2クラスのみです。

リーディングのクラスはまあまあ良かったです。授業と宿題の2種類があります。授業は、ディスカッション、映画観賞、プレゼンテーションなどですが、大したことはなかったです。それに比べて、宿題の量と質には驚きました。2日後までに50ページ読んでエッセイ(感想文)を書いて来なさいというのは普通です。エッセイに求められるレベルもかなり高かったと思います。結果として、文章や本を読むときには、必ずペンを持って書き込む習慣を身につけることになりました。

<リーディングクラスの人々>
- 先生: カリフォルニア出身の女性。トルコでの英語教師の経験もあるという国際色豊かな方。
- クラスメイト: アゼルバイジャン、メキシコ、リベリア、国籍不明のヨーロッパ(イタリア、フランス、スイスの三重国籍?)など。夕方のクラスだったので、勤務経験のある人が多くて話し易かったです。

ライティングのクラスは非常に良かったです。僕はIELTS受験のために日本でもライティングを学んでいましたが、このクラスのおかげで格段とレベルアップしたように思います。イントロ・ボディ・コンクルージョンの文章全体の構造に加えて、パラグラフィング、すなわち、1段落のなかで1つの文にどのような意味があって、1段落全体としてどのように構成すべきか?ということを学びました。

<ライティングクラスの人々>
先生: ケニア出身の男性。ノースカロライナの大学院で勉強していたけれども、お金が足りなくなってコミカレで教え始めたという経歴。最初はなんだそれ?大丈夫か?と思っていましたが、アメリカでライティングを教えるだけの技量を持った優秀な方でした。
- クラスメイト: リーディングのクラスと重複するのですが、アゼルバイジャン、メキシコ、中国、インドネシア、国籍不明のヨーロッパ。

夏学期は9週間で、春・秋学期の18週間と同じ内容をこなすというハードなコースでした。夜中1時までアパートで勉強することも少なくありませんでした。しかし、特にアメリカ教育におけるエッセイ(感想文)ついて学ぶ最良の機会となったように思います。リーディングもライティングも良い成績でした。クラスメイトとも仲良くなりました。ただし、リスニングとスピーキングは日本を離れたときとさほど変わらず低いレベルのままです。    

2016年12月2日金曜日

コミュニティカレッジという選択肢

なぜ、僕が最初からコミュニティカレッジに入学しなかったのか?と疑問を持たれる方もいるかもしれません。日本からコミカレのスタッフと交渉しましたが、レベル確認テストを現地で受ける必要があるため、日本から直接コミカレに入学することは断念せざるを得なかったのです。しかし、振り返ってみると、アメリカで学ぶためには、有名大学・大学院に入学する以外にも、まず語学学校に入学し、渡米後にコミカレ転籍という選択肢があることに気づきました。

留学経験のない人や英語に自信のない人は、日本のエージェンシーを利用して、F1ビザ・I-20を取得し、まずはアメリカの語学学校に入学することが効率的です。私の場合、「留学スクエア」というエージェンシーを利用しましたが非常に丁寧でした。日本での米国ビザ・I-20取得準備、在日米国大使館での面談などについて無料でアドバイスをくれました。結果的に語学学校には三週間しか在籍しませんでしたが、日本のエージェンシーに相談できるため不安がなかったという点で、アメリカ生活の良いスタートを切れたと思います。

そして、アメリカの語学学校に在籍しつつ、希望地域のコミカレに転籍するという留学方法があります。具体的な手続きとしては、I-20をトランスファーするだけです。語学学校にもコミカレにも、外国人留学生のビザ等の責任者がいるため、トランスファーはスムーズに行われると思います。僕の場合、語学学校はシャーロット、コミカレはダラムと距離が離れていたのですが、双方の責任者は丁寧にトランスファーの手続きを行ってくれました。

ただし、コミカレのプログラムについて注意しておく必要があります。コミカレでは、正規学生向けと非正規学生向けの2つのプログラムがあります。前者にはI-20を発行してくれますが、後者には発行してくれません。どうしても語学学校が嫌だという人には、日本から直接コミカレの正規プログラムに参加する方法として、エスタ(観光ビザ)で入国してテストを受け、日本に一時帰国してF1ビザ・I-20を取得・再入国という方法があると思います。交通費は2倍になりますし、ビザ申請は自分ひとりで行わないといけませんが。

有名大学・大学院入学には時間が足りないという人でも、語学学校入学・コミカレ転籍という留学方法があることを知っておいてください。特に大学生など若い人にはオススメです。コミカレの授業の質は決して低くありません。授業料は1セメスター約3,800米ドルと他の留学手段に比べて格段に安いです。アメリカの大学教育の基礎を学ぶという意味において、一考の余地はあると思います。